箱膳(一人膳)とは?
その昔、家族のひとり一人が自分専用の飯茶碗、汁碗、小皿、箸の入った箱「箱膳」を所有していた。
箱膳とはかつて、商家や農家などで用いられた膳である。
大きさは大体1尺(30センチ)四方か8寸(24センチ)四方。
箱膳の中には飯碗(ごはん茶碗)、汁碗、箸、湯飲茶碗が収納されていた。
この膳が使われるようになった時期は、このセットの中に飯碗(ご飯茶碗)が含まれていることから、
近世以降と考えられている。
また、この膳での食事については一人づつ、この膳を所有するため「食器はそれぞれ個人に所属する」
という日本的な考え方を反映するものとされている。
これに関連して、子供は一定の年齢になるまで(一般に箸揃えの儀式がすむまで)箱膳を持つことはできなかった。
また、嫁入りには持参するものとされた。
箱膳は農村においては主に囲炉裏を囲んで食事をした際に用いられていた。
その特徴は食事が終わるときにタクアン(オコウコ)で茶碗、または塗り物のお碗の中を拭き取って食べ、
その後に茶碗に茶を注ぐ。
茶を飲んだ後は、布巾で茶碗や箸などを拭き、茶碗やお碗は裏返し、ふたをしめ、棚にしまうというものである。
かつては水が貴重であったため、箱膳の中の茶碗は毎日洗うわけではなく、時折洗うだけであった。
中には大晦日しか洗わないという家もあった。
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